「それってさ、お風呂とかトイレはどうするの?」


当然出てくる疑問だと思っていた。


「最大限離れてもらってるよ」


梓は力強く言った。


お風呂に入っている時でも厚彦は脱衣所の外の廊下で待機している。


それ以上離れられると梓の隣に来てしまうから、絶対にそこを動かないように念を押しているのだ。


「へぇ~。幽霊との同棲生活って大変そうだねぇ」


玲子は関心したように呟く。


「変な言い方やめてよ」


こっちは同棲したくてしているわけじゃないのだ。


できるならこんな同棲生活は早めに解消したい。


「あ、ここだよ」


玲子が立ちどまったのは昨日和田先生と会ったファミレスだった。


小池先生がどこに住んでいるのかわからないけれど、梓たちが来やすい場所を選んでくれていたようだ。