手伝わないと厚彦が耳元でずっと怨念を呟き続けるからだ。


あの時は悪夢まで見たし、本当に勘弁してほしい。


けれどそれは言葉には出さなかった。


カナさんの件はちゃんと解決できて本当に良かったと思っているからだ。


カナさんが成仏していくとき、笑顔だった。


あの笑顔が梓の苦労を吹き飛ばしてくれたのだ。