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「やぁ、おまたせ」


ファミレスにやってきた和田先生は白髪で、白い顎ひげを蓄えている。


その他の髭は奇麗に剃られていて、一見バスケ部の顧問というより美術部の顧問と言った感じだ。


「突然およびしてすみません」


梓と玲子、ついでに厚彦は席を立って頭を下げた。


「いやいや、構わないよ。なにか注文するかい?」


和田先生は梓たちの向かい側に座り、メニューを開いた。


「あたしたちは飲み物だけで大丈夫です」


玲子が慌てて言うが「若者はお腹がすくだろう? 遠慮せずに」と、メニューを押し付けられてしまった。


ここで頑なに断ることはできない。


梓と玲子はスイーツを一品ずつ注文することになった。


放課後になってお腹が空いていることも事実だった。