死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?

それから3人は教室へは戻らず、職員室に近い図書室へ向かった。


ここからならすぐにアルバムを返しにいくこともできるからだ。


「早く帰らなきゃ、図書室も閉まっちゃう」


玲子が慌ててアルバムを開く。


隣りに並んで座り、梓と厚彦も調べ始めた。


幸い、図書室にいたのは図書委員の生徒と先生だけだったから、厚彦がアルバムをめくっていても気がつかれることはなかった。


もし他に生徒がいたら、とてもできなかっただろう。


アルバムを確認し始めて10分が経過した時だった。


「あ……っ!」


と、厚彦が声を上げて動きを止めた。


「あったの?」


「この人だ、間違いない!」


厚彦は写真のひとりを指さしている。


そこに映っているのはよく日焼けをした、整った顔立ちをした男子生徒だった。


写真の下に書かれている名前を確認すると、太田ユキオと書かれている。


厚彦が見ていたアルバムを確認すると、それは25年前のものだった……。