そこまでバイトに時間を費やしているわけじゃなく、家でも一緒にいる時間が確保出来ているので忘れかけていたけれど、李々斗も実はバイト経験者。
入学してすぐ家の近くのコンビニで働くようになっていて、近所じゃイケメン店員がいると噂になっているみたいだ。
アイスくらい全然自分で買えるくせに、と思うけれど、保護者(仮)の許しが貰えたから良いかとも思ったり。
「とくべつねっ」
「チョコのな。250円の」
「いや高いよ!」
そんなこんなで、わたしはバイトをすることを決めたのである。
李々斗と一緒にいる時間が減るのだけが 少し寂しいと感じた気持ちには、気付かないふりをした。



