無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎







「……楓莉、可愛くなりたいの?」

「えッ」

「今まで全然だったじゃん。幸田(こうだ)とか久代(くしろ)とかが化粧してるのなんて今に始まったことじゃないし」



はるちゃんとフユちゃんとは入学した時から大人っぽくて可愛くて、良い意味で目立っていた。


そんなふたりに声をかけられて仲良くなって……、そりゃあたしかに、半年たって「わたしも化粧したいです」ってちょっと遅いかもしれないけど。




「なんで?」

「な、なんでも。あっ、吉川くんは関係ないよ!心配しないで!」

「…ああ、そう」



この間吉川くんのことでちょっと怒らせてしまったから、変に誤解をさせないようにとそう言えば、わたしの手首を握っていた手の力が緩んだ。


吉川くんのことじゃないと知り分かりやすくほっとしているみたい。


……ちょっと可愛い、かも。