お化粧して、かわいい服を着たら、李々斗と一緒に歩いていても「あの子彼女?いや、妹だよね、ちっちゃいし」とか言われなくなるかもしれないじゃん。
わたしがこれまでいろんなひとに言われてきた“かわいい”は、動物とかぬいぐるみを見た時と同じだ。
わたしだって、女の子としてかわいいって言われたい……って思うんだよ。
「なんだそれ」
「かっ、かわいい女の子がきらいな男の子なんかいないもんね!」
「俺は別に」
「べつにじゃないの!そうなの!りりはそう!」
びしっと言い切れば、李々斗は眉を寄せて 意味がわからない と言わんばかりの表情を浮かべた。
「どうしたの楓莉。なんか変」
李々斗がそう思うのも無理はない。
本当、わたしってば、何言っちゃってるんだ急に。
まるで、“李々斗に可愛いって思われたいからおしゃれを頑張りたくて、そのために置か目が必要だからバイトする”みたいじゃないか。



