「はるちゃん、バイトって、こわい?」

「こわくないよぉ。あたしのバイト先優しい人ばっかだし」

「…そっかー」

「んん、楓莉バイト興味ある?」




こくり、小さく頷く。


はるちゃんのバイト先は近所の焼き肉屋さんらしい。時給は高校生のわりには高いとのことで、ちょっとだけ魅力的に感じる。

フユちゃんも、実家が定食屋だから、土日だけ手伝ってるって言ってたっけ。




「わたしもバイトしようかなあ…」

「いいじゃんいいじゃん。あたしのバイト先も駅に近かったら楓莉と一緒のとこで働けたかもしれないのにねー、残念」



はるちゃんの家はちょっと遠いから、近所となると通うには便宜が悪い。

こればっかりはしょうがないから、働くとなったらちゃんと自分でバイト先を探さないと。