吉川くんと仲良くしていて李々斗が怒るなんて変な話だ。だってそんなの、まるで李々斗がわたしのこと好きみたいなんだもん。
……あれ、まてよ?
もしかして、李々斗はわたしのこと妹みたいに思ってくれているから、吉川くんのことを警戒しているのかも。
わたしが変な男の子に捕まらないように心配してくれているだけなのかもしれない。
なるほど、それなら頷ける。
「わかった、りり」
「…、はあ?何が」
「心配してくれてたんだよね?でも吉川くん、多分いいひとだから平気だよ。優しそうだし、良い友────っ」
良い友達になれると思う、
そう言いたかっただけだった。
けれど最後まで言えなかったのは、
「……それがムカつくって言ってんだろ…」
李々斗の手が、わたしの口を覆うようにして 言葉を遮ったから。
それ以上言うなと言われているみたいで、初めて見る強引な仕草に、どくんと心臓が鳴った。



