無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎





「……え、?」

「…楓莉の隣、俺だったら良かったのに」




ぽつり、小さく呟かれた言葉。

聞き間違いじゃなかったら、わたしの隣の席が良かったって聞こえたけど……、



「吉川、なんかヤダ」

「なんかヤダってなに……」

「……なんか、楓莉ああいう男好きそうじゃん」

「ええ……」



たしかに、わたしは昔から芸能人でも 大人びていて大人しい人が好きだった。あんまり騒いだりしなさそうな、例えるなら本当に 吉川くんみたいな人が好み。


けれどでもそれはあくまで例えばの話だし、吉川くんとだって 隣と席になったから話をしただけ。

それ以上でも以下でもない。彼は、ただのクラスメイトだ。



李々斗は何に対して怒ってるんだろう。

今の話の流れからして、考えられる可能性は わたしの隣の席が李々斗ではなく吉川くんで、さらには仲良さげに話していたからということになる。

しかしながら、それのどこに李々斗が怒る要素があったのかがさっぱり分からないのだ。