李々斗がいくら赤ちゃんでもワガママでも、わたしはそんなに甘やかしたりしないんだから。
自分の分のアイスを開けてぱくりと口に含む。羨ましいのか、李々斗がムッとした表情を浮かべた。
「あー美味しいなー、りりも食べたいんじゃない?あげないけどぉ」
「、おい楓莉」
「もう一つも食べちゃおうかな。とけちゃいそうだし」
「……楓莉……チャン」
「なんだって?聞こえない」
「……楓莉ちゃん」
アイスを食べていた手を止める。ちらりと李々斗の耳に視線を移すと、ほんのり赤くなっていた。
「なーに、りり」
わざとらしく返事をすれば、はぁ……と小さくため息をつかれた。
シャイな りり君、今日も可愛いなあ。
「…、そのアイス食べたい、から……ください?」
なんで疑問形?と思ったけれど、耳真っ赤だし、可愛からまあいっか。
「りり君良い子!」
「うるさい、やめて」
褒め言葉とともに拍手を贈ったら拒否された。
えーん、冷たい。



