「あぇ、りりだ」
「そーだよ」
「席近くなるの初めてじゃない?」
「そーかもね」
「なんか適当じゃん。ちゃんと聞いてる?」
「聞いてない」
ふいっと目をそらされる。
吉川くんが「よろしく、成水」と声をかけていたけれど、李々斗は「うん」と、たった一言そっけなく返して終わりだった。
……なんか、変。
「…なんかりり 不機嫌なってるでしょ。眠い?お腹すいた?お菓子あげよっか」
「いらない。…つか俺のことなんだと思ってんの」
「赤ちゃん」
「馬鹿にしてんだろ」
別にバカにしたつもりはないけれど。
李々斗が分かりやすく不機嫌だから、眠いかお腹減ったかなのかなって思っただけなのになぁ。



