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「ん、とりあえずこれでがまんして」
「…ありがとう……、」
保健室に連れてこられたわたしは、ベッドに座り、先程ボールがぶつかった箇所を冷やしているところ。
時間が経てば経つほど痛みが増してくるこめかみ。
鏡で見たけれどすこし腫れてしまっていて、早々に保健室に連れてきてもらってよかったなぁと、隣に座る李々斗を見て思った。
「りり、試合よかったの?」
「べつに、所詮体育だし」
「そうだけど……」
李々斗はわたしと違って活躍していたし、チームメイトにも迷惑がかかっているかもしれない。
けれど、わたしがそんな心配をしていることを読み取ったのか、李々斗は「心配しなくていいから」と言うとムギュ、と鼻をつまんだ。



