乱暴さも大事って……楓莉の気持ちも確かめずにキスすることが大切なんて、思えるはずないのに。

母さんには、曖昧な返事をすることしかできなかった。




やっぱりあのキスはなかったことにした方が、きっと楓莉のためにもなる。


そう、思っていたのに。





「りりに、……ドキドキする」

「りりのことになるとわたしも頭の中ぐちゃぐちゃになって…っ、ワガママいっぱい言うし、でもりりの悲しい顔見るとくるしいの……っ、今日もね、りりにかわいいって言ってほしくて化粧もして、っ」

「キスも、うれしかった……って、思うの、…わたし、変?間違ってる……っ?」