李々斗が起こしに来るのは毎朝の日課だから、ノックはしない。


「着替えてたらどうするつもりですかりり君」と同居し始めのころに聞いたら、「楓莉の着替えにべつに欲情しないから」って言われた。


今思えばかなり嘘つきだなぁ。
しっかりわたしにヨクジョーするくせに。



……なんて、あまり働かない頭の片隅でぼんやりと昔のことをおもいだす。



「ん“……、りり」

「……楓莉?」



掠れた声で呼べば、明らかにいつもと違う声色に気づいたのか、李々斗がベッドに向かってきた。