「楓莉と成水くんのこと、噂けっこう広まったよね」
「噂……」
「1年のイケメン王子に彼女ができたって噂、聞いたらそりゃ黙ってられないよぉ。本人の口から確かめたいって思うし、まだ今なら間に合うかもって、そんなこともおもったりしちゃうんだろうなぁ」
李々斗と女子生徒の姿を見ながら、はるちゃんがぼんやりと呟く。
「当たって砕けられる度胸があるのはすごく羨ましいけどね」と加えられ、たしかに、と頷いた。
「あ、振られた……ぽいね。て、いや、当たり前だけど」
告白が終わったらしい。
女子生徒は、李々斗にぺこりと頭を下げて、小走りでその場を去っていく。
……多分、泣いていた、と思う。



