「さて、詳しく聞かせてもらおうか?」




登校してすぐのこと。


わたしはというと、いつもの優しくてかわいい雰囲気とはかけ離れたはるちゃんとフユちゃんのオーラに圧倒されていた。

ちなみin女子トイレ。



勘違いされる前に言っておくと、もちろんわたしは今ふたりに何か脅されたり嫌なことをされているわけでは決してない。

が、圧力は、確かに感じていた。

詳しく話して、
いったいどういう流れなの、
昨日の今日で何があったの。


と、そんな感じの圧である。




「は、はるちゃんフユちゃん、あの……顔がすごく怖いよ…」

「あたしたちの顔なんてどうでもいいのよ聞きたいのは推しと推しの恋路でしょうが」

「だからその推しと推しというのは…」

「キス!」

「え」




「成水くんと、キスかなにか、したでしょ」