「楓莉、寝ぐせついてる」

「え、どこ?」

「前髪のちょい上」

「鏡は…───、っ」




「ここだって」

「なん…っ!?」

「ん、なおった」



「り、りり、なん、なん……なにを」

「なにって…照れてんの?楓莉がいつも俺にフツウにやってくるやつだろ」

「わたしはそうでも…っ、りりは今までそんなことしなかったよ!」

「今まではな。これからしないとは限らない」



「な、…う、屁理屈じゃん」

「どっちがだよ。それに言っただろ、覚悟しててって」



「りりじゃないみたいで困…っ、こ、困る!」

「はいはいじゃあもっと困ってくださーい」

「おのれ……」



「ほらもう行くよ。遅刻する」

「りりとは行かん!!!!」

「拗ねんな」