わたしの身体にまたがった李々斗が赤らめた顔を逸らす。


自分が李々斗に襲われていないことを確認するべくパジャマを着ているかどうかを確認しようとして、ようやくそこで自分の手が彼のネクタイを握りしめていたことを知った。




「…」




李々斗の顔が近かったのはわたしが彼のネクタイを引っ張ったせいか、なるほど。



寝込みを襲われていたのではなく、わたしが李々斗のことを寝ぼけながらに襲いかけていたらしい。


彼の顔が赤い理由も分かった。

李々斗ってば相変わらずシャイだなぁ。




「…だっ!」

「いい加減目覚ませ」





───と、そんなことを思っている頭を覚ますようにピンっとおでこをはじかれた。

その微かな痛みで寝ぼけていた頭が完全に目を覚ます。