「楓莉は俺のことどう思ってるのって聞いたけど、やっぱ今はいい。返事も、まだいらない」



わたしの頭の中を汲み取った李々斗が、わたしが言葉を発するより先に言う。

ポン、と再び頭の上に手を置いた李々斗が、髪をやさしく撫でた。




「俺、これまで楓莉に気使わせたくなくて色々考えてチキってたところがあったから、まだ本気で頑張れてない」

「……でもそれはわたしが…」

「楓莉のせいじゃねーよ。俺が、何かのせいにして逃げてただけだから。幼なじみに縋ってでも楓莉といたかったんだ」



うう、また泣きそう。


これまでの行動全部が腑に落ちて、恥ずかしさが同時に押し寄せる。

目を逸らしたかったけれど、李々斗の感情からもう逃げたくなかったから必死にこらえた。