「…わたしが、りりのこともっとちゃんと大事にしたいって思ったから。りりには、何も言われてない」
「……ふ、うん。そっか、わかった」
「ごめんね吉川くん……」
たくさん優しくしてくれたのに、わたしはいつも自分のことばっかりで、李々斗のことばっかりで、ごめんね。
その意味を込めて謝る。
吉川くんは、笑っていた。
「有村さんが自分の気持ちにちゃんと気づくの、時間の問題かもね」
「…え?」
「んーん、独り言。それより有村さん」
───迎えが来てるよ、
ふと、吉川くんが公園の入口の方へと視線を移す。
「……え、」
思わず、声が洩れた。



