無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎






「…あ、あの、わたし一人で、帰りたい」




ギュッと手を握りしめて呟くと、「え?」と聞き返される。



変だよね、こんなこと言うの。

散々泣き顔を見せて、弱音を吐いて、それでいてたくさん優しくしてもらったのに。



だけどね、でもね。




「っ、りりが、」

「……成水が?」

「……りりが、多分、嫌って言う」



李々斗がフキゲンになるって分かってることは、今は……今後は、もう絶対したくないって思うから。



「…成水と、なにか約束したの?」



ふるふると首を横に振る。

約束はしていない。李々斗は わたしが吉川くんといることを嫌がるけれど、それは自分のワガママだって言っていた。




だから、これはわたしの意思だ。