だいすきな李々斗の笑顔が、わたしだけに向けられている。



『ねえ楓莉』

『ん』

『そんなに距離詰めていーの?俺、なにするかわかんないよ』

『、りりならいーよ』

『…ばーか』



李々斗が、抱きしめていた身体を少しだけ離した。熱い視線が交わる。

きみの瞳に映るわたしは、いったいどんな顔をしていたのだろう。



『……楓莉、』



首を傾げた李々斗の顔が徐々に近づいてくる。

わたしの名前を紡いだその唇が、やけに色付いてみえたのは、きっと気のせいではない。

伏しがちな彼に釣られるように目を閉じる。




ああ、わたしは今から李々斗と──…