同じ家に住んでいるのが嘘みたいに、最低限の会話しかしていない。
最近じゃ、李々斗のママも これまでみたいに話さなくなったわたしと李々斗を心配していて、「喧嘩しているなら、ママも寂しいからはやく仲直りしてね……?」とこっそり言われた。
「…やっぱ俺のせいだよね、ごめん有村さん」
吉川くんに謝られて慌てて首を横に振る。
たしかにあの日、吉川くんの発言によって李々斗の機嫌が悪くなってしまったことは事実だけど、李々斗を傷つけたのはわたしだ。
あの日から1週間、こうして気まずくなってしまているのは100%わたしの責任で会って、吉川くんは悪いことはなにもしていない。
元々、バイトのことはいつかは離さなければならないことだったから、吉川くんはあくまでおきっかけをくれただけ。
だから、謝らなければならないのは、こうして吉川くんに気をつ合わせてしまっているわたしのほうなのだ。