――成水くんの気持ちを知る前に、自分のきもちをちゃんと知ることが大事だとおもうの





はるちゃん、フユちゃん。

わたし、自分の抱えている気持ちのこと、何にもわからないままなんだ。


李々斗の気持ちをきく資格はまだないと思った。

自分のこともわからないのに、李々斗の抱えている気持ちを受けとめられるわけがないから。



……それに、




「……わたしたちは、幼なじみだよ」



李々斗とわたしの間に変化が訪れるのが、どうしようもなく怖かったのだ。



静かな部屋にわたしの声が落ちる。

掠れていて、とても情けなかった。