「…りりにとってわたしはトクベツなんだって、はるちゃんたちが言ってた。だけどそのトクベツがどんな風にトクベツか、教えてもらったらいいんじゃない?って、言われたから……今日はりりにそれを聞きたくて」



飼っている犬が隣の家の女子高生A子に懐いたらいやだ。A子よりわたしのほうが犬ちゃんのこと大事にできるって思う。


李々斗にとっての犬ちゃんがわたしだとしたら、李々斗の気持ちがわかるかもって、その話もしたかった。



だけど、だけどさ。

犬の散歩のこと、デートって言わないじゃん。そりゃあふざけて言うことはあるかもしれないけど。

でも、ふざけてなかった。李々斗の目は、本気だったように見えたんだ。