「…楓莉、アイス決まったなら帰るよ」
「えっ、う、うん」
手首を握られ、ぐいっとすこし強引に引っ張られる。吉川くんが、「仲いいね」とどこか含みのある言い方をするものだから、李々斗の眉間にまたしわが寄った。
慌てて吉川くんにぺこっと頭を下げ、李々斗に引っ張られるままにレジに向かおうとすると、
「あ」
と、吉川くんが思いだしたように声をあげた。
「店長が、有村さんよく動いてくれるしシフトもたくさん入ってくれるからありがたいって言ってたよ」
「え」
「じゃ、またね」
サー…っと血の気が引いていく。
手を振って牛乳が置いてあるコーナーへと向かう吉川くんの背中を見つめながら、握られた手首の力がつよまったのを感じた。



