撃ち抜くならキスのあとで








昨日は日曜日だから学校が休みで、私は駅前のショッピングモールで1人でお買い物をしていて。


それで帰ろうとした時、駅の喫煙所を通りかかった。

そうしたら、聞き覚えのある声が聞こえて。






「───ああ、棗?どうした?」



誰かと電話をしているような声に、思わず、無意識に振り返った。そうしたら。




「ああ、じゃあそうしようか」




いたんだ、彼が。



スマホを耳に当てて、電話をしながら。


きちんと着た制服とはかなりイメージの違う、黒ばっかりの私服で。


さらさらの黒髪の隙間からは、普段見えないシルバーリングのピアスが光っていて。



───そして、煙草を吸っていた。