「永島さん、そこのコンビニでミルクティー買ってきてよ」
「え、」
「ほら、早く」
少し歩いた先にあるコンビニを指さして、荻原くんが言う。
そして私だけに聞こえる声で、「逃げろ」と囁いた。
「でも、」
こんな危ないところに、荻原くんを置いて行ってもいいんだろうか。
いくら荻原くんが喧嘩が強いかもしれなくても、5人も相手にできるわけない。
戸惑う私を、荻原くんが睨む。
「───邪魔だから」
冷たい声音に、びく、と肩を揺らす。
わかった、と呟いて、慌ててコンビニまで走った。
荻原くんはミルクティーが欲しいわけじゃない。
ただ私を逃すための口実だ。
だから私はコンビニに寄るんじゃなくて、家に帰った方がよくて。だけど……。



