私にとっての世界は、この小さな高校がすべてで、この学校の中が全部みたいに思ってるけど。
だけどきっと、荻原くんは違うんだろうなぁ。
荻原くんの世界はもっと別のところにあって、私とは違う世界に生きていて、王子様みたいな生徒会長なんてただの仮の姿で。
私にとっての荻原くんは大きな存在だけど、荻原くんにとっての私はとても小さな存在だ。
……荻原くんが、どんな世界にいるのか知らない。
どんな人と関わっているのか知らない。
荻原くんにとって大切な存在である人が、どんな人なのか知らない。
私は、荻原くんの世界の登場人物にすらなれない。
それでいいんだ、それがいいんだ。
私は別に、危険な世界に行きたいわけじゃない。
今まで通り友達と笑って、平和に生きていたい。絶対にそっちの方が大切。
……だけど荻原くんの目に映る世界を、見てみたい。
荻原くんにとって、意味のある存在になってみたい。
荻原くんのこと、知りたいよ。



