「なっ……あなた、いくらこっちが悪いからって彼女を悪く言うのは許しませんよ!彼女がそんな事する訳ないじゃないですか!」

相変わらずあの女を信じ切っている兄。そんな兄の様子を見て神さんは呆れたような顔で苦笑いをした。

「はいはい美人な彼女にさぞかし誑かされたんでしょうね。恋は盲目ってこういう事かぁー。」

兄に軽蔑の視線を向けながら神さんはおもむろに私の方へ歩み寄ってきた。

「でも、このままだとこの子が可哀想で仕方がない……どうです?この子、うちに預けてみませんか?」

突然私の肩に手を置き突拍子も無い提案をする神さん。私は思わず彼と兄たちを何度も交互に見てしまった。