残り時間は【04:29】だ。


もう愛海は答えを見つけてあるはず。


【み】から始まるものを見つけた上で、バケツを持って校庭に出た。


「ちょっと掘ったほうがいいかな?」


そんなことを呟き、大きな石で土を掘り始める。


「愛海、なにしてるの?」


「ちょっとねー」


ぽっこり掘られた小さな穴。


空を見上げると、憎たらしいくらいに晴れ渡っている。


現実の世界はどしゃ降りで、校庭もびしゃびしゃだ。


たくさんの水たまりで、足の踏み場もないくらいに。


__えっ、まさか?


その時、愛海が勢いよくバケツの水を穴に流し込んだ。


「みずたまりー!」と。


『クリアです!』


「うそでしょ!?」


圭子の声が裏返る。


まさかいきなり【り】が来るとは思わなかったのだろう。


「あんた、どうしても私を殺したいの?」


「そんなことないよー!たまたま」


「たまたまなわけないでしょ!」


怒りで頬が震えている圭子はでも、すぐに駆け出した。


向かったのは【調理実習室】だ。


そう、そこの冷蔵庫に眠っている『りんごタルト』を目指して。


「あんたには負けないから!」


勝ち誇った顔で、圭子が冷蔵庫を開ける。


__えっ、なんで?