『これから皆さんには、しりとりをして頂きます!』


機械的な女性の声が、スピーカーから聞こえる。


「勝手に放送室に入ったのか!?」


そう言うと、村井先生が飛び出していった。


どうやら、捕まえる気でいるらしい。


『制限時間は1人10分です。10分の間に、前の人が選んだ言葉の、最後の文字から始まる【もの】を、この学校内から見つけて下さい』


「えっ、学校の中限定なの?」


私の驚きに「そりゃ、普通のしりとりじゃ面白くないじゃん!」と愛海が答える。


それもそうか。ただのしりとりなら、わざわざこんな異空間で行う必要はない。


『ルールは普通のしりとりと、全く同じです!』


どんどんと勝手に進むルール説明。


もっと聞きたいことは山ほどある。


そもそも、ここは何処なのか?なんなのか?やらない選択肢はあるのか?


失格になったらどうなるのか__?


「おい、どういうことだ!?」


出て行ったはずの先生が、息を切らせて戻ってきた。


「先生、捕まえたの?」


圭子が問いかけるが、村井先生は答えず、逆に私たちを睨みつけてくる。


「お前たちの悪戯だろう!」


「えっ__?」


「なんで放送室に誰も居ないんだ!?」