死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-



「でもあんたそれ、人に物頼む時の態度?」


愛海が冷たく言い放つ。


「ちょっと愛海!いくらなんでも──」


「祐美は黙ってて!これは、そいつと私の問題なんだから!」


あくまで圭子をねじ伏せたいらしい。


「もっとちゃんと頼みなよ!サプリメントにして下さいって、床に手をついてさぁ。あんた、ただでさえ馬鹿みたいにデカいんだから」


「ぐっ…!」


愛海の言葉に、唇を噛み締めている。


ここはグッと堪えて、愛海に『サプリメント』と言ってもらわないと。


またいつ【り】が来るか分からない。


その時のために『りんごタルト』は残しておいたほうがいい。


だから圭子、お願いだから辛抱して!


けれど私のそんな願いは、愛海の一言で粉々に砕けたんだ。


「ほら!そこの男女!早く土下座しろって!」


「だ、誰が!誰がお前みたいなクソ女に頭を下げるもんか!」


「へぇ、いいんだ?」


「勝手にしなよ!あんたに土下座するくらいなら、私はここで死ぬから!」


「じゃ、死ねよ」


驚くほど冷たい声で言った愛海が、サプリメントを手のひらに乗せた。


チラッと横を見ると、圭子がわずかにほくそ笑んでいる。


憎たらしい愛海にやり返すことができるからだ。


でもまだ笑うのは早いんじゃ──?