カシャカシャと音を立てながら、愛海が取り出したのは__?
「最近、ビタミン不足なんだよねー」
どうやら薬のようだ。
ペットボトルの水と一緒に飲み干す。
まるで、死りとりなどやっていないとでもいう風に。
でも…全く焦っていない。
恐らく、もう見つけてあるんだ。
【さ】から始まるものを。
私も圭子も、そして祐希さえも、愛海のことを警戒して声すら発しない。
それだけ、愛海がこのゲームを支配していると言ってもいい。
「ねぇ、これってなんて言うかな?」
指で摘んだのは、さっき飲んだ薬。
ビタミン不足と自分で言っていたから『ビタミン』じゃないの?
「足りない栄養を補うモノなんだよねー」
愛海が何を言いたいのが分からなかったけど、圭子が私の隣でボソッと呟いた。
「……サプリ」
と。
「あっ、せいかーい!」
愛海が手を叩いて笑う。
【さ】から始まって【り】で終わる『サプリ』だと。
まさか、本当に【り】で終わらせるつもり?
「でも愛海はまだ言ってないよ?だって、他の呼び方もあるじゃん?」
「サプリの他の呼び方…?」
私が首を傾げると、またしても圭子が答える。
「…サプリメント」



