「しりとりやればポイント入ってくるじゃん」


さも簡単なことのように愛海は言うけど、それは愛海がいつも一番手だからだ。


なんの文字がくるか分からないけど、答えたら終わり。


「私、前からあんたのこと嫌いなんだよね!」


「ちょっと圭子」


「祐美が止めるから言わなかったけど、自分勝手で思いやりのカケラもないし。あぁ、そうだよね、彼氏をわざと殺すくらいだもんね」


ここぞとばかりに、圭子がぶちまける。


けれど愛海も負けてはいない。


「愛海だって、嫌いだったし!いつも日に焼けてて黒くて猿みたいで、女子力のカケラもない。あんたと一緒にいるとこっちまで野蛮になるわ」


「はぁー?ギャルのあんたのほうが山猿みたいじゃない!似合いもしないメイクしてアホらしい」


汚いものでも見る目で吐き捨てた圭子。


また言い返すのかと思っていたら__愛海はにんまりと笑った。


「そんなこと言ってもいいわけー?」と。


「な、なによ!?」


不気味に微笑む愛海に不穏なものを感じたのか、あの圭子が少しだけたじろぐ。


「愛海の次、圭子だよね?良一が抜けたから」


「あんた、私をハメようっていうわけ?」


「別にー?それは圭子の態度次第じゃない?」


「信じられない!」


そう吐き捨てると、圭子が教室を出ていった。