「おい、なんだよこれ!?」


その時、良一が教室に飛び込んできた。


「祐希と裏でタバコ吸ってたら、いきなりグラっときて、そしたら学校に誰もいねーじゃん!」


興奮気味に喋る良一と、厳しい顔でなにやら観察している祐希。


ふと、目が合ってしまった。


私がそらす前に、祐希が小さく頷いた__ような気がする。


「おい!お前たち、これはなんだ!?」


血相を変えてやってきたのは、村井先生だ。


「職員室にも誰も居ないじゃないか!避難訓練だったか?そんなの聞いてないが…?」


「違いますよ先生!これはしりとりゲームです!」


愛海の言葉に、先生は眉を寄せる。


「しりとりって、あのしりとりか?」


「そう、アプリに登録した参加者だけが招待される世界って、すごくなーい!?」


「確かにあり得ないよな!?」


良一が嬉々として反応する。


お似合いの2人は興奮して抱き合っていて、それを取り囲む私たちとはテンションが違う。


「それで、どうなるんだ?」


祐希がブスっと言った。


私に向けてじゃないけど、なんだか私に言われているようで…。


ちょうど皆んなが押し黙った時、校内放送が始まった。