私と祐希は幼なじみだった。


親同士が仲が良く、家族ぐるみで付き合いをしていた。


それがいつからだろう?


祐くんとあまり遊ばなくなった。


顔を合わせるのも避けるようになり、祐くんは親の離婚で荒れていったんだ。


どんどん変わっていく幼なじみに掛ける言葉もなく、廊下ですれ違っても目を合わさない。


遊ばなくなった理由なんて、何もないと思う。


ただちょっと恥ずかしかっただけで…。


「あと1人、誰かいないかなー?」


愛海が教室を見回していると、ちょうど村井先生がやってきた。


「おい、滝川」


どうやら圭子に用があるようだ。


「今度の試合、助っ人で来てくれないか?」


「えっ、私も試合があるんで」


長身で大柄な圭子は、剣道部のエースだった。そしてその背の高さで、あちこちからスカウトされる。


「頼む!アタッカーがいないんだよ」


バレー部顧問の村井先生が頭を下げる。


先生が生徒に頭を下げる場面って、ある意味すごい。


「私、バレーは…」


圭子が断ろうとしたが、すかさず愛美が前に出る。


「やりますやりますぅー!」


「あんた、なに勝手なこと!」


「その代わり、しりとりやりませんかぁー?」