『それでは、しりとりゲームを始めましょう!まずは【る】から始まる言葉です!よーい、スタート!』


前回の『ゴーグル』が最後だから、始まる文字は【る】になる。


1番手の愛海は「はーい!」と、自分の足元を指差した。


「ルーズソックスー!」


『クリアです!』


「楽勝ー!」


前回と変わらないテンションなのが、別の意味ですごい。


先生が目の前で殺されたというのに…。


もし失敗したら、鎌を持った男に刺されるかもしれないのに。


でも、愛海が全く怖がっていないのには、ちゃんとしたワケがあって__。


「スピーカー!」


良一が教室の隅を指差す。


『クリアです!』


しりとりは順調に進んでいく。


次は圭子の番だ。


おもむろに制服の中に手を突っ込むと、手のひらサイズのモノを取り出した。


「かいろ!」


『クリアです!』


次は【ろ】から始まるものだけど、祐希は迷うことなく机の中に手を忍ばせる。


「ろうそく」


『クリアです!』


最後の私まで、すぐに順番が回ってきた。


愛海と同じように、自分の足元を指差す。


「くつした」


『クリアです!』


全員が滞(とどこお)りなくクリアした。


それも当たり前だ。


予め相談して、しりとりを完成させているから。