その瞬間、明かりが消えた。


えっ、真っ暗でなにも見えない!


「なんで暗いの!?」


甲高い声は、愛海のものだろう。


「さっきまで外も明るくなかった?」


圭子の疑問に、誰も答えることができない。


私たちがゲームをしていた異空間は、昼間だった。それなのに今は、大洋の明かりも完全に消滅している。


教室の蛍光灯が切れただけじゃないんだ。


真っ暗闇。


「動くな」


その時、祐希の低い声が響いた。


まるで『動くと殺す』と脅しているように聞こえたけど、どうやら危ないかららしい。


そんなこと言われなくたって、なにも見えないんだから動きようがない。


「おい!失格なら失格でいいから元に戻してくれ!」


イラついた先生の声がした時だった。


スーっ。


なにかが、私の前を横切った。


少しずつ暗闇に目が慣れていき、私の前に誰かがいるような__?


パッと、明かりが戻る。


私の目の前に、見知らぬ誰かが立っていた。


ちょうど先生と私の間に立っている__たぶん男?は、ローブをすっぽり頭からかぶっていて、顔には真っ白なお面をつけていた。


そしてその手には、鎌が握られていて__。