笑った、よね?
ヤンキーたちが店を出て行く。
「ちょっと、友達だったら止めてよ!」
良一に文句を言ったが、とうの良一は涼しい顔をしている。
「大丈夫だって」
「でも…」
「あいつなら心配ないし」
そう言って、ハンバーグを食べ始める。
いてもたってもいられず、私は駆け出した。
外の駐車場で、ちょうど祐希が取り押さえられている。
4人がかりで、卑怯じゃない!
警察を呼ぼうとスマホを取り出した時、大きな呻き声が聞こえた。
ゆ、祐くん!?
しかし、私の目に飛び込んできたのは、ヤンキーたちを殴り倒す祐希の姿。
小さい頃はどちらかというと、私より小さくて泣き虫だった祐くんが、年上の男たちをボコボコにしている。
それも__どこか嬉しそうに。
私の知らない祐希の一面に、その場に立ち尽くす。
やっぱり変わってしまったのかもしれない。
ううん、変わらないほうがおかしいんだ。
私はそっと、店内に戻った。
「あれ?幼なじみ君は?」
愛海の問いかけに「いなかった」と短く答え、ジュースを飲んだ。
甘いはずの炭酸も、この時はなんの味もしなかった…。