教室に飛び込んできた祐希が、死り神に鎌を振り下ろした。


机ごとなぎ倒し、その後に怖いくらいの静寂が訪れる。


「どう…して?」


「祐美!」


「どうして!」


私は思わず机を叩いた。


どうして助けに来たのか!と。


体育館で死り神を倒したから、ここまで来たんだ。


つまり、仮面をした死り神はすべて倒したということ。


残っているのは…祐希だけ。


ゲームを終わらせるには、私が死ぬか、祐希が死ぬかの二択しかない。


私は死を受け入れることを望んだ。


でもそれは、祐希以外に殺されることが望みだった。


それなのに…。


「とりあえず、ここを出よう」


祐希に促され、私たちは教室を出た。


もう襲ってくる死り神はいない。


けれど、現実世界にも戻れない。


やはりゲームは終わっていない。


それは、仮面が外れたからといって死り神の肩書はなくならないことを意味する。


「ずっと気になってたんだ」


校庭に出た祐希は、そのまま私の手を引いて校門まで進む。


「学校からは出られないのかって」


そう言うと、校門から出ようと__。


「ダメだ、出られない」


「見えない壁があるみたい」


私も試したけど、学校から外には出られない。