勝てっこない…。


こうなることを予想して、私が最後に残ることを選んだんだ。


私が死り神となって、祐希を殺してしまうことだけは避けたかった。


だから、これでいい。


私がおとなしく殺されれば、それでいい。


すると目の前の死り神が、ゆっくりと鎌を振り上げた。


ムダな抵抗はせず、私はそれを受け入れる__。


もう2度と祐希には会えないけど、しりとりを失敗した私が悪いんだ…。


静かに目を閉じ、死を受け入れようと__。


ハッと目を見開く。


__これは、この死り神は祐希だ!


祐希が私に向かって、鎌を振り下ろそうとしている!


それに気づいた瞬間。


「いやっ!」


私は死り神となった祐希を押し飛ばし、教室から飛び出した。


うまく逃げ出せたのは、完全に諦めた私が逃げると思っていなかったからか?


それとも、狩りを楽しむためか?


でも他にもあれだけ死り神がいるのに、祐希だけには殺されたくない!


廊下を駆け出す。


かなり走ってから振り返ると、ようやく死り神たちが駆けてくる。


痛ぶって遊ぶつもりかもしれない。


どうしよう?


どこに逃げたらいい?


とにかく武器を…。