これがラストチャンスだ!


廊下を駆け抜け、教室に飛び込んだ。


【00:42】


これでゴミ箱からペットボトルが出てこなければ、死り神がやってくる。


そしてそれは、祐希かもしれない。


好きなひとに、私は殺されるんだ。


お願い!


私はゴミ箱を引っ掴むと、中身を床にぶちまけた。


紙くずやら、食べ物のカスを素手でかき分ける。


【00:18】


あと18秒しかない!


もう時間を確認している暇はない。


「__あっ!」


その時、ペットボトルのキャップを見つけた。


ということは、容器も必ずあるはずだ!


「どこなのよ!」


探す手に力が入り、なにかを弾いた感触がまさに__ペットボトルだ!


勢いよく飛んでいったペットボトルを拾いに走る。


まだ間に合う!


這いつくばりながら、私は「ペットボトル!」を掴んだ。


やった!


自分でも笑顔なのが分かった。


しかしスピーカーから聞こえてきたのは『クリアです!』ではなく…。


『タイムオーバーです!』


「そんな…」


確かにペットボトルを握っているというのに。


私は、失格したの?