「ぷ…?」
祐希からのバトンは【ぷ】から始まるものだ。
偶然にも昨日、学校に忍び込んだ時に話していた。
『ぱ行が見つかりにくい』と。
「祐美、頑張れ」
「うん」
しっかり頷き、私は駆け出す。
【ぷ】から始まる、学校にあるもの。
それを私は、あらかじめ見つけてあった。
技術室を出て、校庭を突っ走る。
時間をロスしてしまうけど、これだけは間違いなくクリアするはずだ。
どこの学校にもだいたいあるから。
階段を上り、そこに通じる扉に手をかけた__。
えっ!?
「あ、開かない?」
いくら押しても引いても、扉はびくともしない。
その向こう側に【ぷ】から始まるものがあるというのに。
「冬だから使ってないんだ」
私がなにを見つけたか、祐希もすぐに分かったようだ。
「でも、すぐそこにあるのに!」
「くそっ、開かない!」
「あ、あの!ぷ、プール!そこにプールがある!」
私は扉の向こうを指差した。
しかし…。
『認められません。視覚でとらえて下さい』
「うそっ…」
「祐美、時間がないぞ!」
「鍵を見つけてくる!」
私は校舎内に戻った。



