「電話!」


机の上に置いてある『電話』の受話器を手に取った。


『クリアです!』


やっぱり祐希は『でんわ』を選んだ。


次は【わ】から始まるもの。


祐希が時間をくれたから、ゆっくり考えることができた。


思いつくものは『輪ゴム』や『割りばし』なんかがある。


しかも私は、次のことを考えなくていい。


【ん】さえつかなかったら、即効でクリアだ。


そういえば、私がしりとりをするのは久しぶりかもしれない。


順番が最後だから、私まで回ってこなかったんだ。


誰か分からないけど、先生の机に__。


「ワイシャツ!」


『クリアです!』


「よしっ!」


祐希とハイタッチをする。


『おめでとうございます!3000ポイント差し上げます!』


これで6000ポイント。


退会するには15000ポイント必要だから、あと3回だ。


「最後の1人になったらゲームは終わるのか?」


祐希がスピーカーに向かって尋ねる。


『最後の1人がしりとりに成功すれば、その瞬間にゲームは終了します!』


「じゃ、あと4回だ。3回クリアして1人が退会して、残った1人がしりとりに成功する」


「あと4回…」