「──愛海?」
確かに、愛海がそこにいた。
退会したはずの、松本愛海が。
私の金づちが、死り神の仮面を弾き飛ばしたんだ。
「祐美!」
その時、祐希がぶつかった。
死り神の愛海の背に、ぶつかったんだ…。
「ど、どうして?」
驚きに見開かれた愛海の目が、私を見つめる。
答えを教えてほしいと。
どうして私が死り神なのか?と…。
「ねぇ、どうして?」
その目は驚きに満ちており、もう死り神じゃないことを物語っていた。
仮面だ。
仮面が操っていたんだ。
死り神となって失格者を殺すように。
でも、なんで愛海が死り神になったのか?
これまでのルールなら、名前でしりとりをして選ばれたはず。
前が古城怜華だったから【か】から始まる名前のはずなんだ。
それなのに、どうして愛海が?
愛海の苗字は『松本』だから、選ばれることはない。
苗字が変わらないかぎり…。
「あっ、苗字!愛海、親が離婚したから…?」
私がそう言うと、愛海は呆然と呟いた。
「…かわはら」と。
「かわはら?」
「川原に、苗字が変わったんだ…」
そこまで口すると、愛海の顔が苦痛に歪んだ。



