「ひょっとしたら、死り神は居ないかも?だって【か】から始まるクラスメイトは居ないから」


私の希望的観測も「それはない」と祐希に却下される。


「どういうルールかは分からないが、そんな生温いことはしない」


「…そうだよね」


これまでのゲームを思い返し、考えが甘いことを痛感した。


きっと死り神はくる。


だからこそ「なんとか【り】のつくものを探そう!」と訴えた。


学校にある【り】のつくものさえ探せば、戦う必要なんてないんだ。


私は、祐希に人殺しをさせたくない。


『制限時間、残り1分です!』


「1分…」


「祐美は心配するな」


やっぱり祐希は、戦う気でいる。


私はどうすることもできずに、その時を迎えた__。


『南田祐希、失格!』


辺りが暗くなる。


「祐くん!」


「動くな!」


「でも!」


「いいからジッとしてろ!」


思わずビクッと体を震わせる。


も、もし祐希が死り神に襲われたのなら、助けないといけない。


祐希がずっと私を守ってくれたように、私も大切なひとのことを命がけで守らないと。


たとえそれが、クラスメイトを殺すことになっても。


息を殺して、明かりが戻るのを待つ__。


パッと明かりが戻った。


そこに、死り神がいた。