【り】で終わってしまった。


これから制限時間内に【り】のつくものを学校内から見つけないといけない。


「…祐くん」


「いいから、祐美は休んでろ」


「でもっ」


なんとか立ち上がろうと机を掴んだけど、そのまま倒れ込んでしまった。


「心配するな」


そう言って、祐希は私の頭をぽんっと叩く。


「いちゃついてないで、早くしたらー?あっ、見つかんないのかー?」


愛海の嫌味な声が、がんがん頭に響いた。


圭子とあれだけ探し回っても【り】のつくものは見つからなかったんだ。


どことなく、祐希の顔色も悪い。


もし見つけることができなかった場合、死り神がやってくる。


また祐希は殺してしまうかもしれない。


これ以上、祐希には人殺しを重ねてほしくないのに。


「もう今から愛海の彼氏になりたいって言っても遅いんだからねー?」


「死んでもお前みたいな女とは付き合わねーよ!」


「じゃ、ここで死ねば?」


それはゾッとするほど、冷たい声だった。


「それともまた殺す?」


「あぁ、殺してやるよ」


「じゃ、その次もその次も殺す?いつまで殺せるかなー?」


愛海はこれからもずっと、祐希に不利な言葉を選ぶはずだ。


「それがどーした?俺は何人でもぶっ殺してやるよ」