『それでは、死りとりゲームを始めましょう!』


いつものアナウンスが聞こえたけど、私は立っていることが___。


ガタン!と激しい音がした時には、教室の床に突っ伏していた。


「おい、大丈夫か!?」


祐希が近くにいる。


とても近くに…。


「服がびしょ濡れだ」


「…な、いで」


「体も熱い!凄い熱じゃないか!」


「触らないで…」


それだけ言うのがやっとだった。


凄い寒気がするし、頭が痛くて息をするのも苦しい。


「なんでもいーけど、始めてもいい?」


愛海の呆れた声がした。


私はとっさに祐希を押し退けたけど、祐希は私を抱き抱えたまま動かない。


このままじゃ、愛海が怒り出す…。


『それでは最初の文字は【ち】です!それではよーいスタート!』


ゲームは関係なく始まった。


「しっかりしろ」


祐希が、どこからか見つけてきたタオルで私の体を拭いてくれる。


「…いいから、やめて」


「静かにしてろ」


「お願いだから…」


「保健室に行くか?」


そう言って、私を抱き抱えようとする。


「ベッドで休んだほうがいい。肺炎でも起こしたらヤバいだろ」


「もういいから…」


早く祐希を遠ざけないと!


「てかさー!私、しりとりやってんだけど!」